幻の酒を飲む
「今日はすごい酒があるから飲んでいけ!」
と、すでに酔っぱらった状態で酒を勧められた。出てきたのは「百年の孤独」という焼酎。とても希少価値が高く、滅多に飲めないものらしい。
タダより高いものは無い。うまい酒というのはどんなものなのか?などと思い、興味津々で頂くことにした。
透明なおちょこに注がれたその液体は焼酎なのにウイスキーのような琥珀色をしている。マスターの勧めであるし、一口飲んでみた。
感想は一言「これが焼酎?」
私はあまり酒は強くないし、詳しくもない。そのため味をうまく表現することは出来ないが、とにかくうまいのだろうと自分に言い聞かせながら飲んだ。早く酒の味がわかるオトナになりたいと感じた。
マスターはその後も上機嫌で「ウチの店は金儲けのためにやってるんじゃないんだよ~。喜んでくれればいいんだよ~。」
経営者としては失格だが学生思いの人間が大きいマスターで、今回の勘定はタダにしてくれた。ごちそうさまでした。